火天の城



shijimiです。
先日、ryoちゃんから面白い歴史小説を借りた。



信長の安土城建設の話なのだが、要所要所にジーンとくる盛り上がりがあり、ハラハラドキドキするサスペンスありで、非常に面白かった!

特に心を揺さぶられるのは職人達の気骨精神、命がけの職人魂に何度も胸が締め付けられる思いがした。
あれだけの大工事。。当然、事故もあり、たくさんの死者がでた。また、敵の乱波(工作員)が工事作業を撹乱させようと、とんでもないことをしでかしていたり。。

信長おかかえの番匠、岡部又右衛門が城建設にあたり、適地にある木曽の神木用の檜を所望し、依頼をかける。杣頭(そまがしら)の甚兵衛がそれにこたえて神木を川に流して送るのだが、木が岩にひっかかりそれを外そうとして、自らの足を滑らせて川に落ち木に挟まり、命を落としてしまう。それで結局木が折れてしまうのだが、甚兵衛は最後にその無念さをひらがなだらけの手紙で又右衛門に詫びを残して死んでしまう。。
一旦引き受けた仕事は職人としてのプライドにかけて命がけで遂行しようとする男気に感動してしまう。。
又右衛門がその気持ちを汲み、“大通柱よりよいものをもらった”とさらに城工事に精を出す。

また石工の男との話も非常に潔くてジーンとくる。他にも瓦職人との話や親子の関係。とにかく、最後まで飽きる事なく、気になって気になってしょうがない。
文章も素晴らしくて、語彙の豊富さ、文章の言い回しや導き方の気持ちよさにスムーズに目が進む。
小説なのでもちろんフィクションで補っている部分もあるのだが、リアリティを感じさせずにはいられない。相手を純粋に深く思う寛容さとそして、全体に潔いのだ。

この時代の人達のくらしや生き様は常に生と死が隣り合わせにある。
だから、いつまでも引きずって自ら落ちこぼれていく暇がないのかもしれない。。

私には全然そんな潔さがない。だからこそ、憧れてしまうのかも。。
もし、たとえイヤな事があったとしても、クヨクヨしている暇などないのだと、自分にも喝が入った。